畑からテーブルへ。青木農園とHUGEの取り組み
私たちHUGEは、「ALL NATURAL」を掲げ、化学調味料に頼らず、素材本来の美味しさを活かした食事を提供しています。
その中でも欠かせない存在が、レストランで使用する野菜たち。
できる限り農薬に頼らず、生産者の顔が見える食材を選びたい。
そんな想いから、青果部を中心に全国各地の生産者とつながり、食材の仕入れを行っています。
神奈川県三浦市にある青木農園さんも、その大切なパートナーのひとりです。
レストランで働くメンバーが月に一度青木農園を訪れ、畑仕事のお手伝いをさせていただいています。
私たちが月に一度、青木農園に向かう理由。
5月のある日。代官山のメキシカンレストラン Hacienda del cielo(アシエンダ デル シエロ)でシェフを務める佐藤 大己(さとう ひろき)シェフに同行し、私は青木農園を初めて訪れました。
大己シェフは約5年前から、ほぼ毎月、真夏の暑い日も、冬の寒い日も社内のメンバーを連れ、青木農園に通い続けています。
電車とバスを乗り継ぎ、およそ1時間以上かけて足を運びます。
あたたかく出迎えてくれたのは、父・青木さんと娘・紀美子さん。初めての訪問にもかかわらず、不思議なほどの安心感に包まれました。長く通うメンバーにとっては、まるで田舎の実家のような存在です。
この日は快晴に恵まれ、最高のお天気!
目の前に広がるのは海と富士山。都会から少し足を伸ばしただけで、こんな素敵な場所があるんだと本当に感動しました。畑へはトラックに乗って向かい、潮風を感じながら揺られる時間はそれだけで特別な体験。
たった半日で、野菜づくりの大変さを知る
この日は、苗植えのお手伝いからスタート。
畑仕事は初めての私でしたが、紀美子さんやHUGEの農園参加ベテランメンバーに教わりながら、一つひとつ丁寧に苗を植えました。茎を傷つけないよう慎重に土をかぶせる。そんな作業を繰り返しているうちに、不思議と愛着が芽生えます。
その後も畑を整備したり、土をならしたりと暑い中地道な作業が続きました。
当日は社内から9名のメンバーが参加。みんなで作業すればあっという間に感じますが、これを日々少人数で続けている農家の皆さん。農業という仕事の大変さと尊さを実感しました。
農家さんがいるからこそ、私たちが美味しい野菜を食べたり、レストランで提供することができます。いつも私たちに美味しい野菜を届けてくれて本当にありがとうございます。
レストラン屋の声に応えてくれる存在
青木農園さんとの関係は、単なる「仕入れ先」ではありません。
私たちが「こんな野菜を作ってほしい」とお願いすると、その要望に真剣に向き合ってくださいます。
例えばズッキーニ。
一般的な緑色だけでなく、黄色や形の異なる品種なども育てていただいています。さらに、収穫時期を調整し、レストランでより長く提供できるよう栽培のタイミングを合わせていただくこともあります。また、青木農園では、その野菜の特徴に合わせた育て方をしており、自然に沿った野菜作りを心かけているそうです。
生産者と料理人がともに考え、食材を育てていく。
そんな関係性を築けていることは、私たちにとって大きな財産です。
ビールづくりから畑へ。循環するサステナビリティ
HUGEでは、環境への取り組みにも力を入れています。
そのひとつが、青木農園で行っている肥料づくりのプロジェクトです。
横浜ハンマーヘッドQUAYS pacific grill内にある自社ブルワリー「NUMBER NINE BREWERY」では、遊び心とチャレンジ精神を大切にしながらクリエイティブなクラフトビールを造っています。
そのビールの製造過程で生まれる廃棄物を活用し、青木農園の畑で肥料として再生する取り組みが始まりました。ビール醸造後に残る本来なら廃棄をされてしまうモルト(麦芽粕)やホップを廃棄せず、鶏糞を混ぜ合わせ、畑の肥料として再利用しています。
単純にモルトを混ぜたら良い肥料にはなりません。土の状態や作物との相性などを考え、青木さんと共にこのサステナブルな挑戦をしています。
再び土へ還し、新しい命を育む力へと変えていく。
レストラン、ブルワリー、そして農園がつながることで、ひとつの循環が生まれています。
食材の向こう側にいる人たち
今回参加して強く感じたことがあります。
私は食べることが大好きですし、料理をすることも好きです。
普段から食材選びには気を使っていますが、その野菜がどんな人によって育てられ、どんな想いで作られているのかまでは、なかなか知る機会がありません。だからこそ、今回青木農園さんでいただいた野菜は特別でした。
正直に言うと、いつもの何倍もおいしく感じました。
きっとそこには、育てた人の顔が見える安心感や、愛情があり、1つの野菜が育つ背景のストーリーを深く体験できたからだと思います。
HUGEのレストランで美味しい料理をお客様に届けられるのは、食材があり、それを育てて、作ってれる生産者の皆さんがいる。
そのことを改めて実感しました。
食材にも、人にも、誇りを持てるレストランへ
畑で汗を流した経験は、レストランに戻ってからの接客や料理にも必ずつながります。
「実は今日のスペシャルメニューで使っている野菜は僕たちが収穫しました!」
「今の時期しか採れない珍しい野菜が入っています!」
「私も実際に食べてみましたが、すごく美味しかったのでぜひ召し上がって欲しいです。」
そんな一言には、私たちの想いが自然とこめられます。
料理やサービスの“付加価値”を高めるためには、私たちスタッフが熱意をもってお客様へ伝える必要があると、私は思います。
キッチンもホールも、生産者の想いを知り、その価値をお客様へ届ける。
食材にも、人にも、誇りを持てること。
それがHUGEらしいレストランのあり方なのかもしれません。

























